※引用元:図書カードNEXT-デザインのご紹介
「図書カードNEXT」は日本図書普及株式会社が発行する本と雑誌のギフトカードで、全国約7,000店のカード読取り機設置店で利用できます(2023年10月末日時点)。
1960年に全国共通図書券として誕生し、1990年には磁気式の「全国共通図書カード」がスタート。現在は、2016年6月から発行されている、QRコードを利用した「図書カードNEXT」に形を変えています。
この記事では、図書カードの基本情報に加え、換金に必要な知識と具体的な3つの換金方法、それぞれの換金方法における換金率、金券ショップの買取相場などをご紹介しています。
公開する数値は、延べ120枚の図書カード、多店舗展開している5社の金券ショップから算出しています。
また、記事中の「図書カード」は、特に指定がない限り、磁気式の「図書カード」、現在発行の「図書カードNEXT」の両方を表します。それぞれ清算処理の方法は違いますが、基本的な使い方は同じです。
▼参考記事
【図書カードNEXT】おつりや残高の確認方法(QRコード・PIN番号)などについて
図書カードNEXTの基本情報と換金時に必要となる知識
図書カードNEXTの基本情報
公式サイト | 図書カードNEXT |
発行会社 | 日本図書普及株式会社 |
利用可能 店舗数 |
全国約7,000店 (2023年10月末日現在) |
使えるお店 (取扱店) |
【全国の図書カード読取り機設置店】
【オンライン書店】
|
額面金額 | 500円・1,000円・2,000円・3,000円・5,000円・10,000円 |
カードの種類 | 【書店で販売されている図書カード(10種類)】
【オリジナル図書カード】
|
おつり(つり銭) | でない |
有効期限 | 10年以上(紙式・磁気式は期限なし) |
利用できない 商品・サービス |
店舗ごとのルール |
▼さらに詳しい図書カードの概要、使い方などについてはこちら。
図書カードのデザインについて
図書カードは、他のギフトカードと違い、デザインを自由に決められるカードです。
ギフトカード類の中で、最も近いと思われるのが「QUOカード」。2016年まで発行されていた磁気式図書カードは、磁気式、プリペイド式(前払い)、デザインの自由度など、さまざまな点で同じ技術、同じ仕組みが使われていました(現在発行の図書カードNEXTは磁気式ではありません)。
現在発行されている「図書カードNEXT」の既存デザインは10種類。
企業や団体が製作するオリジナルカードを含めると、そのデザイン数は数えきれないほどあります。
そして、このデザイン数の多さから生まれたのが、金券ショップ等でも区別することがある「ギフト柄」と「広告柄」の価格差です。これは、QUOカードでも同じことが言えます。簡単な違いは、
- ギフト柄:定番のピーターラビットや西洋絵画シリーズなど、ギフトに適したデザイン。
- 広告柄:企業の広告や雑誌の懸賞目的で作られたデザイン(個人製作含む)。
ですが、明確な基準がないため、買取を依頼するまでどちらか判断がつかない場合もあります。
例:花柄のデザインだが印字されている文言がある など
金券ショップで買取不可の図書カードとは
2016年から発行されている「図書カードNEXT」には、それまでのような磁気による情報の書き込みではなく、サーバー管理型の技術が採用されています。
ユーザーや取扱店は、インターネットでサーバーにアクセスすることによって、いつでも手軽に残高や利用履歴が確認できる仕組みです。
▼関連記事
【図書カードNEXT】おつりや残高の確認方法(QRコード・PIN番号)などについて
この技術によって不要になったのが、目安として開いていた「パンチ穴」です。未使用のカードなのか、それとも使用済みなのか。
ユーザーだけでなく金券ショップ側でも判断材料に使っていた、この「パンチ穴」がなくなったことによって、ある一定の作業を行わないと、未使用かどうかの判断ができなくなってしまいました。
このため、トラブルの防止や確認作業の煩雑さなどを理由に、「図書カードNEXT」を買取NGとしている金券ショップが存在するわけです。
ただし、この件に関してランダムに10社ほど調査した結果ですが、買取をNGとしている金券ショップは、わずか2社のみ。残りの8社は、条件付きですが、すべて通常通りの買取業務を行っていました。
買取条件は、ほとんどのショップで「PIN番号のスクラッチ部分を削っていないもの」という同じ内容です。また、削っていても買取率を下げて買い取ってくれるショップが多数ありました。
※買取不可の2社は、「100枚完封」で買取可能。
その他の買取不可の図書カード
その他、ほとんどの金券ショップで買取不可となる図書カードは以下のカードです。
- 穴が開いているカード。
- 極端に汚れや黄ばみ、折れ曲がりのあるカード。
- 使用履歴のあるカード。
図書カードの換金方法と換金率、買取相場など
最適な換金方法は、個々の状況によって異なります。また、換金する場合は、ほぼ間違いなく額面よりも価値が下がりますので、今一度、本当に自己消費するチャンスがないかどうかを確認すべきです。
図書カードにはまだ、世間一般に浸透しきれていない多くの使い道が存在します。
文房具やCD・DVD、レコードなら「TSUTAYA」、輸入雑貨やおもしろグッズ、服飾品なら「ヴィレッジヴァンガード」、アニメ関連グッズなら「アニメイト」など、この3ブランドで全国に約1,000店の店舗が存在します。
このことを認識した上で、以下の換金方法に関する記事をお読みください。
▼図書カードが使えるお店や使い方に関する記事はこちら
▼図書カードの本以外での使い方に関する記事はこちら
【図書カードNEXT】本以外で買えるもの|文房具、CD・DVD、ゲームなどの購入について
家族や身近な人から協力を得る
最も高い換金率と継続性を期待できるのが、身近な人に協力してもらう方法です。準備の必要がないので、最初に手軽なチャレンジができます。
学生なら大学生協などで参考書を購入予定の友人に、社会人なら読書好きの同僚に、家族ならギフト用にカードの購入予定がないかどうか聞いてみたりと、可能性はたくさん存在します。
ただし、筆者はこのような協力依頼をしている人を自分以外では見たことがありません。
換金したいわけを話したり、ディスカウントしたりすれば、よりスムーズな協力が得られると思います。経験上、重要なのはタイミングです。
Yahoo!オークションで出品する
換金率は高くありませんが、手軽さを重視するならYahoo!オークションです。
Yahoo!オークションは、ネット上の個人商店みたいなものですし、24時間営業でお客さんは全国に存在しますので、集客力は圧倒的です。
下の表は、2022年6月~9月に取引が成立した計120枚分の図書カードの集計結果です。
額面 | 送料を除いた 平均受取り額 |
換金率 | 抽出 件数 |
¥500 | ¥331 | 66.2% | 20 |
¥1,000 | ¥759 | 75.9% | 20 |
¥2,000 | ¥1,599 | 79.9% | 20 |
¥3,000 | ¥2,512 | 83.7% | 20 |
¥5,000 | ¥4,181 | 83.6% | 20 |
¥10,000 | ¥8,545 | 85.5% | 20 |
- 送料込みの商品はすべて定形郵便の84円分をマイナス。
- 切手可の商品、人物・キャラクターなどプレミアがつきそうな商品は除外。
- 受取金額は「落札システム利用料8.8%(プレミアム会員)」で算出。
集計結果からわかること
- 磁気式図書カードの発行が終了して2022年で6年経過。出品されている商品はほとんどありませんでした。
- 額面金額が高くなるにつれて換金率も高くなっています。
- おおよその換金率は、1,000円までのカードが7割前後、2,000円以上のカードが8割前後となっています。
重要なところですので、後ほどYahoo!オークションの表と金券ショップの表を合体させます。
注意が必要なこと《Yahoo!プレミアム会員費》
一点考慮する必要があるのは、上記は「Yahoo!プレミアム会員」の場合の換金率である点です。
Yahoo!プレミアム会員とは、Yahoo! JAPANが指定するサービスを、有料で利用するための会員資格で、月額508円(税込)かかります。
つまり、既に会員の方にとっては小さな影響でしかありませんが、初めてまたは1回だけ、図書カードをYahoo!オークションで販売する場合には、上記の会費分も考慮する必要があるということです。
ただ、数か月間プレミアム会員費が無料になるキャンペーンは、ほとんど常時行われていますので、図書カードの換金を機にプレミアム会員デビューをする選択肢もあります。
- 【Yahoo!プレミアム】とは?会員特典10選
- 【Yahoo!プレミアム】最大6か月分無料+クーポンで登録する方法
- プレミアム会員にならずに出品することも可能ですが、出品時に利用できる機能に制限があったり、落札システム手数料が10%と割高になったりします。
金券ショップで買取してもらう
店舗に足を運ぶ(または郵送作業の)手間はかかりますが、即効性を重視するなら金券ショップです。
下の表は、多店舗展開している金券ショップ5社の買取価格を集計した結果です。
※数字の単位は「円」、調査は2022年9月。
額面 | 種別 | T社 | R社 | J社 | L社 | K社 | 5社平均 | |
価格 | 換金率 | |||||||
¥500 | 磁気式 | 460 | 462.5 | 470 | 460 | 425 | 456 | 91.1% |
NEXT | 350 | 410 | 300 | 375 | 425 | 372 | 74.4% | |
¥1,000 | 磁気式 | 920 | 925 | 940 | 920 | 850 | 911 | 91.1% |
NEXT | 800 | 900 | 700 | 750 | 850 | 800 | 80.0% | |
¥2,000 | 磁気式 | 1,840 | 1,850 | 1,880 | – | 1,700 | 1,818 | 90.9% |
NEXT | 1,700 | 1,840 | 1,400 | 1,600 | 1,700 | 1,648 | 82.4% | |
¥3,000 | 磁気式 | 2,760 | 2,775 | 2,820 | 2,760 | 2,550 | 2,733 | 91.1% |
NEXT | 2,550 | 2,760 | 2,100 | 2,400 | 2,550 | 2,472 | 82.4% | |
¥5,000 | 磁気式 | 4,600 | 4,700 | 4,700 | 4,600 | 4,500 | 4,620 | 92.4% |
NEXT | 4,250 | 4,650 | 4,000 | 4,250 | 4,500 | 4,330 | 86.6% | |
¥10,000 | 磁気式 | 9,200 | 9,400 | 9,400 | 9,200 | 9,000 | 9,240 | 92.4% |
NEXT | 9,000 | 9,300 | 8,000 | 8,500 | 9,000 | 8,760 | 87.6% |
- 「ギフト柄」と「広告柄」で買取価格に差をつけているショップは「ギフト柄」の買取価格を採用。
- すべてネットでの買取価格です。店頭買取価格は若干下がる可能性があります。
集計結果からわかること
- 多くの金券ショップで「磁気式図書カード」と「図書カードNEXT」の買取価格に差がありました(高いのは磁気式)。
- 表には掲載していませんが、「広告柄」の買取率を2~3%下げているショップが目立ちました。
- 額面金額が高くなるにつれて換金率も高くなっています。
- おおよその換金率は、「磁気式図書カード」が90%以上、「図書カードNEXT」が74%~88%となっています。
重要なところですので、後ほどYahoo!オークションの表と金券ショップの表を合体させます。
注意が必要なこと《ネット買取vs店頭買取》&《都市部vs地方》
買取金額はすべてWEBサイトから抽出しています。つまり、ネット買取価格が含まれているということです。店頭で買取してもらう場合は、若干金額が下がる傾向にありますので、その点には注意してください。
- 一般的に、金券ショップのネット買取価格は、店頭買取価格よりも若干高めに設定されていることが多くなっています。
- 理由には、ネット買取の場合、全国のショップがライバル店になるため、少しでも高い買取価格をつける必要があること、ネット買取では依頼する側に郵送料や振込手数料がかかるケースが多いため、少しでも依頼をしやすくする必要があること、などがあります。
また、これも一般的な話ですが、都市部のショップと地方のショップでは、圧倒的に都市部のショップの方が買取価格が高く設定されています。
表の金券ショップは、すべて都市部に店舗を持っており、他店との競争が激しい環境で買取業務を行っているので、地方のショップでは同等の買取価格になる確率が低い点には注意してください。
郵送買取にかかる費用と換金率のシミュレーション
上記5社では、郵送買取の流れに若干の違いはあるものの、費用項目はほぼ同じですので、代表的な「R社」を例に、流れ、費用、換金率をシミュレーションします。
- WEB上のフォームで、見積依頼、会員登録、代金受取方法の選択などを行う。
- 見積確定後、品物と身分証明書を郵送する。
- ここで「住民票の取得料金」と「送料」が発生。
- 査定結果の連絡が届き、承諾後、買取金額が振込まれる。
- ここで「振込手数料」が発生(差し引かれる)。
額面合計 | 住民票 の取得 |
品物等 送料 |
振込 手数料 |
費用 合計 |
郵送買取 換金率 |
10,000 | 300 | 404 | 100 | 804 | 79.0% |
20,000 | 300 | 404 | 100 | 804 | 83.0% |
30,000 | 300 | 404 | 100 | 804 | 84.3% |
50,000 | 300 | 404 | 100 | 804 | 85.4% |
100,000 | 300 | 529 | 100 | 929 | 86.1% |
- 買取率は87%を想定。
- 身分証明書は、免許証や保険証のコピーだと時間も料金も余計にかかるので住民票を選択。
- 品物等送料は以下を想定。
- 額面金額合計5万円まで:「定形郵便(84円)+簡易書留(320円)」
- 額面金額合計10万円まで:「定形郵便(94円)+一般書留(435円)」
- 代金の受取りは、振込手数料が最も安い「100円」を想定。
居住地域、最寄りの金券ショップの買取価格、保有銀行口座など、個々の状況に応じて郵送買取依頼の判断をお願いします。
Yahoo!オークションと金券ショップの換金率比較
額面 金額 |
Yahoo!オークション | 金券ショップ | ||
受取金額 | 換金率 | 受取金額 | 換金率 | |
¥500 | ¥331 | 66.2% | 372 | 74.4% |
¥1,000 | ¥759 | 75.9% | 800 | 80.0% |
¥2,000 | ¥1,599 | 79.9% | 1,648 | 82.4% |
¥3,000 | ¥2,512 | 83.7% | 2,472 | 82.4% |
¥5,000 | ¥4,181 | 83.6% | 4,330 | 86.6% |
¥10,000 | ¥8,545 | 85.5% | 8,760 | 87.6% |
- 「図書カードNEXT-ギフト柄」の数値です。
- Yahoo!オークションはプレミアム会員を想定しています。
- 金券ショップはネット買取価格を採用しているので、店頭買取の場合は若干金額が下がる可能性があります。
換金率の比較では、若干金券ショップに分があるように見えるものの、さほど大きな差異は感じられません。
金券ショップに足を運ぶ手間やYahoo!オークションで出品する際の送料を抑えられることを考えると、ほぼ同等と言えるのではないでしょうか。
※Yahoo!オークションの送料は、定形郵便の84円を想定して差し引いていますが、ミニレターなら63円です。
おわりに
金券類の換金の話になると、ネット上ではほとんどの場合、金券ショップがおすすめとなっています。ですが、人口密集地以外の地方に住む人にとって、金券ショップでの換金はかなり高いハードルです。
筆者は、九州地方では一番の都会と言われる福岡市内に居住していますが、「金券ショップで換金」という選択肢の優先順位は高くありません。時間と往復の費用が掛かるのが理由です。
最適な換金方法は、居住地域やYahoo!プレミアム会員かどうかなど、個々の状況によって大きく異なります。
この記事が、最適な換金方法の一助になれれば幸いです。
最後にもう一度、図書カードの関連記事を残します。
本記事は、2022年9月現在の情報を基に作成しています。最新の情報は各WEBサイトでご確認ください。
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